「てかそんなん聞くの珍しいなぁ。なんや、暴走族とかタイプなん?」

「そんなわけないよ〜! 結蘭ちゃんこそ不良タイプって言ってたじゃん」

「せや! それは2次元の中だけや! いざ本物の暴走族は嫌や。うちはオタクやで〜!」

「あはは……。じゃあ詳しくは結蘭ちゃんも知らないんだ?」

「せやで〜」



じゃあ、“あの人”じゃない……?



「それにしてもそんなん聞くなんて珍しいな〜! なんや知り合い?」

「う、ううん! それより、次移動教室だよ! ほら行こ〜!」



手を引っ張って、教室から出る。

……違う。絶対に。

“士綺くん”なんて。