傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「知り合いよりちょっと上くらいの対応しかしなかったのに、急に焦り始めて。あれはもうツンデレの恋ですかね」

「ん〜。ツンデレとは違う気がする〜。そうだな〜、事情持ち、って感じ〜」



過去に何かあったんだ、それくらいは分かった。



「憐夜さん、なんか楽しそうですね」

「当たり前でしょ? あの士綺クンに恋愛事なんて……。明日は槍が降るかもね〜」



玲音クンだって気づいてるはず。

玲音クンはクールだから何も言わないけど、相当驚いてるはずだ。



「……開かねぇ」

「え?」



玲音クンが突然言葉を放ったかと思うと、意味分かんない言葉。



「……ロックがかかってる。百瀬椿月の個人情報に」

「つーちゃんがロックかけてるってこと?」

「違う。発信源は……この地域だ」

「じゃあ今んとこ怪しいのが……」



奥の部屋に放り込んだ久瀬日向を思い出す。