傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

総長様から、そう直々のお達しが言われた。

総長様の言うことは絶対。

あーあ……コイツ、完全に終わったね。

案の定、周りにいた奴らが久瀬日向を囲み込み、引きずり出した。



「おいやめろ!! 俺は何も!」

「それが分かのはこれからだよ〜? ふふっ、あんなに怒った士綺クン、久しぶりに見たな〜」



これから楽しみ〜。……ふふっ。

玲音クンのハッカー能力はピカイチ。早々出るだろう。



「士綺クン、どんな判決下すかな〜」



士綺クンはいつの間にかいなくなってて、きっとつーちゃんを追いかけたのだろうと思った。

そして、奥の部屋へ。

奥の部屋は、言わば牢屋、だろうか。

悪党のために作った部屋。

鎖だけが用意されてて、何一つ相手のことを考えちゃぁいない。

士綺クンはきっと、何がなんでもコテンパンにする気だろう。



「士綺さん、なんなんですかね」

「何が〜? 涼クン」



涼クンだって……分かってるじゃん。