傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

立っている鬼龍の人たち。

見えるもの、全部が───。



「嫌!!! やめて!!! いやぁぁ!!!」

「つーちゃん! 落ち着いて!」

「やめて……っ!!! もう、やめて……ください……!!!」



───怖い。

固く深く閉じ込めていた記憶。

それがこじ開けられて。



「痛い……っ!! やだ……!!!」

「つーちゃん!!!」



憐夜くんの手が恐くて。

全部、見えるもの全てが恐い。


『アッハハッ!! ホント醜いよねー!』

『やめて……っ!』

『醜いものを醜く飾ってあげようとしてるんだよ? 感謝してよー』


やだ……やめて……っ!



「やめてぇぇぇ!!!」



逃げなきゃと分かってても、脚が震えて、力が抜ける。



「あっ……あぁっ……!!」



やだ、やだやだやだ……!!!!!



「つーちゃん!! 落ち着いて!!」

「もう、やめてください……!! ごめんなさいごめんなさい……!!」