「まさか士綺くん、まだ怒ってるの? 相田(あいだ)くんはからかっただけだよ?」

「冗談でも許さない」

「えぇ……」



士綺くんが嫉妬しない日が来るのだろうか……。



「士綺くん、帰ろうか……」

「ああ。丸くなってる椿月も可愛い」

「ほ、ほんとにやめてぇ……」



外で恥ずかしがらずにすぐ抱きつくし、キスしようとするし、甘い言葉は吐くし。

でも……。

そんな士綺くんが嫌いかと聞かれたら、私はこう答えるだろうな。


───『心の底から愛してる』って。



「んー……! 今日は疲れたなぁ」



お家に帰ってきて、ソファの上に寝転ぶ。



「椿月、そんなとこで寝たら風邪引くぞ」

「んー? 大丈夫だよぉ。私こう見えても身体丈夫だから〜」

「昔から弱いだろ。すぐ顔真っ赤にして熱出してんだろ」

「んー……」



眠たくて、自然と瞼が下りてくる。



「おい。……男の前で寝ようとすんなよ」

「っ、んぅ……っ」