傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「なんでだろ。なんだか、もうみんなで一緒に過ごせないって分かって……っ」

「つーちゃん……」



まだ出会って……半年しか経ってない。

でも……少しの時間でも、楽しかったから。

楽しくて、怖いこともあったけど……っ。



「まだみんなと高校生活、したかった……っ。まだみんなと、過ごしたかったなぁ……っ」

「椿月……」



分かってる。何を言っても時間は進むって。

だけど……嫌なの。

士綺くんと朝登校して、結蘭ちゃんと授業を受けて、お昼休みは一緒にご飯を食べて。

何気ない日常も、今日で終わり。



「何言ってんのつーちゃん! 卒業しても、僕らは僕! ずーーーーっと仲良しだよ!」

「憐夜くん……」



憐夜くんが、頬をグニッと掴んで、ニカッと笑ってくれた。



「せや椿月! ほれ、うちのリボンやるから泣くなや〜!」

「女同士で渡しますか? 普通」



結蘭ちゃんがリボンをくれた。

確かに女の子同士でするのはないと思うけど、友情の証だもんね。