傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「こら、暴れんな」

「暴れるよ! 写真まだ撮ってないし。早く下ろして! じゃないと嫌いになるよ!」



そう言うと、士綺くんは足を止めた。



「嫌い、嫌い……」

「あ、士綺くーん……?」



本気にしてる士綺くんに、憐夜くんたちは大笑いをしていた。



「言われてる言われてる〜! ほら、早く写真撮ってショッピング行くよ〜!」

「はーい!」



意識旅行をしている士綺くんの腕を引っ張って、みんなで写真を撮る。



「はい、チーズ!」



通った人にスマホを渡して撮ってもらった。



「じゃあこれうちが加工しとくわー。じゃあ一旦家に帰って支度して駅前集合なー!」

「はーい!」



結蘭ちゃんに写真を送って、一旦家に帰ることに。

“帰る”と聞いて、なんだか涙腺が緩んで……。



「……っ、あれ、なんでだろ……っ」

「つーちゃん!?」

「椿月!?」



涙が、ボロボロと溢れた。