傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「百瀬も長い間、安西の世話役ありがとうな」

「え、世話役って……」

「誰が世話されてんねん! うちはちゃうで!」



そんな最後の会話を交わして、高校生活は幕を閉じた。



「なあなあ椿月! 獅子堂のクラス長引いてるらしいで! 今しかないやろ! 行ってき!」

「え……じゃあ行ってこようかな」



結蘭ちゃんの言葉に、席を立った。

そうだよね、今しかない……。



「ちょっと断るだけだもん。行ってくるね」

「行ってき〜。獅子堂たち来ても誤魔化したるわ」

「ありがとっ」



結蘭ちゃんに手を振って、校舎を出る。

そのまま体育館裏に着くと、そこには5人の男の子たちが。



「あっ、百瀬さん……!」

「ご、ごめんなさい。遅れて……」



せめて士綺くんにバレないように早く終わらせたい……。



「あの……気持ち、伝えていいですか……?」

「あ、はい……」



すると、周りを囲むように立った男の子たち。