【side士綺】




「あのっ、獅子堂先輩!」

「……あ?」



教室に入ると、次々と女子が群がってきた。

チッ……めんどくせぇな。



「好き、です! 付き合ってください……!」

「私も好きなんです! 百瀬さんが1番なら、2番でも……」

「あ゛?」



椿月が1番なら2番?



「その腐った頭どうにかしろ。俺は椿月しか見てねぇ。お前らなんか眼中にねぇんだよ」



最後だからなんだ、近寄るな。

俺は椿月だけでいいんだ。

卒業したらやっと……椿月を手に入れられる。



「っ、ひどい! 勇気出して告白してっ……!」

「……チッ」



じゃあどうすんだ? 受け入れればいいのか?



「キミら、いい加減にしたら?」

「え……」



トイレに行っていた憐夜が戻ってきた。



「キミらバレンタインに玲音クンに告白して振られた子たちでしょ? イケメンなら誰でもいいわけ? 言っとくけど、そーゆーのバレバレ」

「っ……」