傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「百瀬先輩モテモテですねー。ほんと羨ましいくらい」

「何言ってるの涼くん……。涼くんバレンタインでたくさんチョコ貰ってたじゃん……」



そういえば、士綺くんもたくさんのチョコを貰ってた……。

まあ全部憐夜くんたちにあげてたけど……。

女子たちに失礼じゃないかとも思ったけど。



「ま、まあ卒業式が終わってから考えよ……」

「百瀬先輩、現実逃避しない方がいいも思いますよー」

「やめて……士綺くんの怒った顔が浮かんじゃう……」



し、士綺くんと桜の木の下で写真撮る約束してるのに……。



「じゃ、俺もう行きますね。もともと百瀬先輩を見送るのが役目なんで」

「あ、ありがと……」



そう返事をして、教室に入った。