「じゃあ士綺くんバイバイっ!」
士綺くんのクラスとは階が違うから、一旦別れる。
ちなみに涼くんとは同じ階。
「クソが……なんで同じ学年なのに階違うんだよ……」
「改装工事入ったからしょうがないでしょ? ほら憐夜くん、連れて行って」
「はーい。ほら嫉妬、束縛、独占欲、過保護と四拍子揃った残念彼氏、行きますよー」
「クソが……」
憐夜くんに引きずられながら階段上って行った士綺くん。
玲音くんは手を振って一緒に上って行った。
「なんや獅子堂最近問題児やなー」
「お出かけするだけで護衛さんつけるんだよ? 破産しないか心配……」
「警察庁長官を父親に持つ人ですよ? 破産なんてするわけない」
そういえば一度、涼くんが護衛になった時の練習として一緒にショッピングに行ったことがある。
士綺くんはすごく嫉妬してたけど……。
「あの、百瀬先輩!」
「え?」