「認めねぇならこっちから願い下げだ。椿月を他の男にやるなんて想像するだけで吐きそうだ」

「士綺クン、そーなったら僕がもらってくよ〜。僕、つーちゃんドンピシャタイプだし」

「殺すぞてめぇ」



半年経ってもこういうところは変わらないのはどうにかして欲しいけど……。



「あ、士綺くん早く行こ!」

「ああ、もうこんな時間か」



一度忘れて家を出た。

最後に歩く道。



「見て見て士綺くん! “月のペンダント”!」



士綺くんがくれた、“約束の証”。



「まだ持ってたのか? 新しい高いやつ買ってやるのに」

「獅子堂は乙女心を分かってへんな〜! こういうもんは捨てられへんのが女子やで〜! そんなことを忘れてる男は捨てられんで〜」



そんなことを結蘭ちゃんが言うから、柄にもなく士綺くんが焦って……。



「椿月!? 悪かった! 絶対忘れねぇ。お、俺はそんなつもりで言ってねぇから!」

「し、士綺くん? 大丈夫だって。ほら、早く行こう……」