傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「そろそろ行きません? 俺在校生代表のスピーチしなきゃで、準備するんで」

「は? 椿月を早く行かせて告られたらどうすんだ。椿月優しいから断れないだろ」

「いや士綺くん? 私のこと優しさで浮気する女だって思ってる?」



士綺くんは毎日何言ってるんだか……。



「いいよ士綺くん。士綺くんだってスピーチするんでしょ? 早く準備しないと」

「……もっと椿月といたい」

「わっ」



正面から抱きついてきた士綺くん。



「早く卒業してぇ……」



士綺くんの言葉に、思い出した。



「……本当に、認めてくれるのかな」

「椿月……」



実は士綺くんのお父さんと会ったことがある。

会った途端、放り出されそうになった。

でも士綺くんが護衛さんを倒して……。

それでやっと話す機会をもらえたんだけど、反対の言葉しか出てこなくて……。

どうにか説得をして、卒業をしたらいいと許してもらった。