「椿月、ここ曲がってるぞ」

「あ、ありがとう」



あれから約半年。ついに今日は卒業の日。



「椿月〜! おっは〜!」

「わっ、結蘭ちゃん!」



結蘭ちゃんは大阪に帰ることはなかった。

なんだか無理にドタキャンしたそう。

そのおかげで半年一緒に学校に通えて、卒業も一緒にできることになった。



「士綺くんの制服を見るのも最後か〜。ちょっと寂しいかも」



そう呟くと、士綺くんが急に抱きしめてきた。



「んな可愛いこと言うな。今日行きたくねー」

「何言ってるの。士綺くん卒業生代表でしょ」



卒業生代表としてスピーチをする士綺くん。



「なんで俺なんだよ。俺3年から転入してきて任せんのおかしいだろ」

「まあまあ……。選ばれるのはとってもすごいことだし」



士綺くんが選ばれたのは絶対その……オーラというか、なんていうか……。



「在校生代表では涼か」

「うんっ。まさか士綺くんがステージに立つなんて、半年前では考えられないな〜」

「それどういう意味だよ」