傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「っ、去ったのは私だけじゃないでしょ!? 彼だって一度はあなたの前から消えたじゃない!」

「っ、お母さんと一緒にしないで!」



お母さんの言葉に、頭に血が上った。



「必要な時に隣にいてくれて、慰めて、助けてくれたのは他でもない士綺くんよ! 確かに辛かったけど、その罪をしっかりと前から見つめて償おうとしてくれた!」

「椿月……」



士綺くんは反論した私に、驚くような目を向けた。

憐夜くんたちも、目を見開いて。



「『愛してる』、『会いたかった』なんて綺麗事じゃ、忘れない……っ」



忘れ、られるわけない。

あの時の言葉は、記憶は、何をしても消えてくれない。



「椿月……ごめんね」

「っ……」



お母さんは涙を流しながら、ギュッと抱きしめてくれた。



「でも、これだけは分かって……お母さんだって、辛かったの……。お父さんに捨てられて、もう居場所なんてないって……」

「……っ、娘じゃ、居場所にならないの……?」