「し、士綺くん、これって……」
目の前に停まった車。
それはどこからどう見てもリムジンと呼ばれる車で……。
一体どれだけお金持ちなの……?
「ん? ただのリムジンだが」
「た、ただの!?」
ただの、なんて……金銭感覚バグってるんじゃないの……!?
私、車に乗ったことなんて指で数えるくらいしか覚えてない……。
「椿月、座れるか? 俺が抱えて歩いて行ってもいいが……」
「いやなんで? どうして自分から歩くという選択肢になるの……」
なんだか士綺くんの過保護っぷりに拍車がかかった気がする……。
「ちょっと士綺クン! これ僕の車ね!? 座れるかって過保護か!」
憐夜くんがナイスツッコミをする。
「いたっ……」
車に乗って座ろうとした時、足がソファに当たった。
「椿月!? 大丈夫か!?」