傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

ひ、人前に立つのは苦手で……!



「大丈夫! ほら、幹部室行こーっ!」

「え……。う、うん」



なんだか、丸め込まれた気分……。

手を引っ張られて、奥の部屋?に向かう。



「んー、やっぱここが落ち着くよねーっ」



憐夜くんがソファに座って伸びをする。



「ほら、つーちゃんもお座り〜」

「いや、犬じゃないよ?」

「まあまあ。前の姫のこと話そーかなって」

「前の姫?」



さっき言ってた……“裏切り姫”ってやつ?



「うん。前の姫はある暴走族の総長の女になったんだー。しかも結構敵対してる暴走族」

「えっ……」



だから……“裏切り姫”?



「それで対立は深まったまま。士綺クンはどーでもよさそうだけど、僕は許さないよ」



さっきまでの……憐夜くんと違う。

低くて、響く声。

憎しみがこもった声。