傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

胸ぐらを掴んで揺さぶる結蘭ちゃん。

士綺くんは手を振り払えたはずなのに、今でも揺さぶられたまま。



「士綺クン」



憐夜くんがその状況を見て、目を光らせた。



「鬼龍は次に継いだ。士綺クンが縛られてるのはあと……家のことでしょ? そんなの、気にすんなよ」

「……んなの、気にしなかったら一番楽だ」

「士綺くん……」



私、どれだけ……迷惑かけるんだろう。

士綺くんは悩んで、決めたんだもん。

私が、否定する権利はない……っ。



「ごめんね……士綺くん」

「椿月……?」



もう、諦めるね。



「今まで、ありがとう」

「なに、言ってるんだ……椿月」



私はもう、独りじゃない。

お母さんだって戻ってきて……全てが、あるべき場所に戻るだけ。



「最初から私たち……交わることは許されなかったんだよ。……さようなら。本当に今まで、ありがとう」

「っ、椿月……!!」