傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

やっぱり……私なんか……っ。



「知り合いでもなんでもねぇ。勝手にしろ」



え……。

顔を上げると、そこにはもう士綺くんはいなかった。



「士綺、くん……」



きっと誰も聞こえない小さい声で呟かれた言葉。



「もー、勝手だなぁ。ごめんねつーちゃん。別に悪い奴じゃないよ? それに月イチの近況報告は必ず出席してって言ってるからあとで来るよ」

「そ、そっか……!」



出て行ったのは……私がいるから?


『知り合いでもなんでもねぇ』


もう、士綺くんの中に私はいないの?



「そうそう。今から他の奴ら来るんだけど、つーちゃんに挨拶してもらうからっ!」

「……挨拶?」



他の奴ら……って鬼龍の?



「だって新しいお姫様だもーんっ! みんなに知らしめないとー!」

「え!? えっ、ちょっ」

「大丈夫! ちょっとだけだから〜!」