傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

『10年後、またここで会おう?』

『……え?』



最初は、何言ってるのか分からなかった。



『俺、友達なんかいないんだ。だから友達になってくれるなら……その証に、これあげる!』



そう言われ、泣きながら大きく頷いた。



『わ、私お友達になる! 10年後、ここで会おうね!』



そう言った時の士綺くんの顔は、忘れられない。



『じゃあ約束! 10年後も、友達ね!』

『うんっ! 10年後、ここで会おうね!』



なんて、話して。

でも、その1週間後くらいに士綺くんが転校してきて。

その時は、2人で笑い合った。




「ふっ、ふうっ……」



必死に松葉杖をついて向かった。

ただ、会いたい。

でも私は、約束を守れなかった。



「ねぇ、士綺くん……っ」



───まだ、好きで、いてくれる?



「士綺くん!!」



着いた高台。

そこには、何も変わってない、士綺くんの姿があった。