傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

メソメソと泣く私を、慰めてくれた。



『一緒に探してあげる』

『えっ……本当?』



手を取られ、頭を撫でられた。



『大丈夫。すぐ見つかる』

『ありがとう……!』



でも、どれだけ探してもいなくて───。



『ううっ……。置いて、行かれちゃった……っ』



絶望して泣く私と違って、士綺くんはずっと励ましてくれた。



『泣かないで。これ、あげるから』

『……なぁに? これ……』



士綺くんがくれたのは、月の形をした、ペンダントだった。



『キミ、ももせつばきっていうんでしょ? つばきに月が入ってるなら、ピッタリじゃん』

『……いいの? もらっても』



士綺くんの笑顔が、眩しかった。

あの時から、温かい手。



『もちろん。俺は付けないし。じゃあ、交換しようよっ』

『こーかん? でも私、何も持ってない……』



落ち込む私に、優しく手を繋いでくれた士綺くん。