「お願い。後悔、したくないの。……士綺くんがここにいるってことは、まだ、間に合う」



力を込めて言えば、憐夜くんは言葉を詰まらせた。



「それなら、僕らが連れて───」

「ダメ」

「え?」



憐夜くんの言葉を遮った。

これには、理由がある。



「これは、私の問題だから。……行ってくる」

「ちょっ、つーちゃん!」



松葉杖を奪い取って、部屋を出る。

この場所は───。




『お前……誰?』



忘れもしない、出逢った場所。

星が降る、綺麗な夜。

出逢ったのは、6歳……小学1年生の頃。

星が綺麗に見える、高台。

この日は近くでお祭りがやっていた。

お母さんたちとはぐれ、高台で泣いていた。

そんな時出逢ったのは───士綺くんだった。



『うっ……グスッ……。お母さんたちと、離れちゃったの……っ』