涼くんが、前に1歩出た。

それも、真剣な顔で。



「言ったでしょ? 涼クンは士綺クンの護衛として育ってきたんだもん。しかも僕は昨日会ってるし。場所、分かるよ」

「……! ほんと!?」



士綺くんに、会える……!?



「椿月、行ってきぃ」

「ゆ、結蘭ちゃん……」



結蘭ちゃんが、ニカッと笑った。



「うちはもう大阪に戻らなあかん。最後に椿月の笑顔見て帰りたいわ」

「っ、ありがとう……ありがとう……!」



私の居場所、ここにもあった。

たとえ鬼龍を辞めても、“親友”っていうことは、変わらない。



「ここ」



憐夜くんが、スマホのマップ機能で見せてくれた場所は───。



「う、そ」



信じられない、場所だった───。