傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

そう、呟いた瞬間。



「───顔を上げろ」

「……え?」



憐夜くんの、雰囲気が変わった。

大きく可愛い目じゃなく、細く、睨むような目つきで。



「2人して『隣に似合わない』? そんなの誰が決めた。自分の運命は、自分で決めろ。後悔するな」

「憐夜、くん……」



本当に憐夜くんなのか、疑ってしまうほど、怖い雰囲気だった。



「分かってる? 士綺クン、つーちゃんのために消えたんだよ。つーちゃんをこれ以上傷つけないために」

「……だから、もう隣にいない方がいい、って思った」

「本音は?」

「っ、え?」



射抜くような、見抜くような目。



「ほん、ね……?」



私の、本音。

憐夜くんは、いつもの、優しい目で笑った。