傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

私にはもう、士綺くんの隣に立つ資格なんてない。

好きって、言えない。



「……昨日ね、士綺クンと話したんだ」

「……!」



……嘘。



「士綺クン、昔と同じ目してた。死んだかのような、そんな目。それで士綺クンに『つーちゃんに会え』って言ったんだよ。そしたら、なんて言ったと思う?」

「……」



何を、言ったの。

多分、恨み言かな。迷惑かけるなって。



「……『それ以上言ったら殺す。椿月の隣に立つ資格なんて、もう俺にねぇんだ』……って」

「っ……!?」



どういう、こと……?

それを言うのは……私、じゃん。



「つーちゃん、もう一回……士綺クンに会って。今ならまだ、間に合うよ」

「……間に合うわけ、ない」

「え?」



ポロポロと、涙がシーツに染みる。



「私は、弱いから。足でまといだから。士綺くんの隣に、似合わない。もう、疲れたの。……楽に、なりたい」