傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

私の部屋のカーテンは締め切っていて、今日の天気も分からない。

スマホは充電器に繋ぎっぱなし。

ここ最近、ずっとベッドにいた。

学校も転校しなきゃいけないし、行ったところで、士綺くんはいない。



「───もういっそ、死にたい」

「「「「「っ……」」」」」



呟いた言葉に、みんな息を呑んだ。



「……辛いこと、嫌なこと、全部もう、どうでもよくなった。生きる意味なんてもう、ない」

「「「「「……」」」」」



士綺くんなら、『なんてこと言うんだ』って言うと思う。

でももう、私を諭してくれる士綺くんはいない。



「……今のつーちゃん、士綺クンと同じ目してる」

「……ぇ」



困ったように微笑んだ憐夜くん。



「僕もつーちゃんと同じ、士綺クンの幼馴染み。中学の頃、今のつーちゃんと同じ目をしてた。暗くて、何も映さないで、死んだような目」

「……」

「でも士綺クン、つーちゃんと再開して、一緒に過ごして……どんどん目に光が宿ったんだ。つーちゃんが、士綺クンを蘇らせてくれたんだよ」

「……そんな士綺くんは、もういない」