傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「っ、我慢、できてたのに……っ」

「つーちゃん……」

「椿月……」



ずっと、我慢してたのに。



「お母さんたちが、出て行って……っ! 士綺くんに、突き放されて……! それでも必死に、我慢してたのに……っ」



大丈夫。生きられる。

って、我慢してたのに───。



「どこにも、愛してくれる人がいなくても……我慢、できてたのに……っ。士綺くんのこと、また好きになっちゃったから……っ」

「つーちゃん……」



また……士綺くんを、好きになっちゃった。

分かってたよ。私には、幸せになる資格なんてないって。

知ってるよ。私は独りなんだって。

でも……っ。

『俺がお前を求めるのじゃ、居場所になんねぇか?』って、言ってくれたじゃん……っ。

もう私には……士綺くんの隣にしか、居場所、ないんだよ……?



「つーちゃん、外に出た方がいい。このままじゃ病んじゃうよ」

「……」