そう、終わった手紙。



「っ、うぅっ……っ」



私の涙腺は完全に崩壊してしまった。

会いたいよ……士綺くん……っ。



「っ……」



嗚咽が開いた唇の隙間から出る。

どうして……私は何も、気づけなかったんだろう。

士綺くんが、悩んでたのに。

自分のことで精一杯で、士綺くんのこと、何一つ考えてなかった。



「ごめん、なさい……っ。士綺くん……」



でも……こんな別れ方、納得いかないよ。

やっと、想いが通じたと思ってた。

士綺くんは優しくて、甘く接してくれた。

その裏には……こんな真実があったんだ……。



「椿月……」

「……え?」



聞き覚えが、ありすぎた。

この、綺麗な透き通る声。

優しく、包まれるような声色。



「───覚えてる?」



覚え、すぎてた。

だって、それは───。



「───おかあ、さん……?」



大好きな、お母さんが立っていた。