傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

【椿月。

こんなことをしといて、許されるとは思ってない。
ただ、これだけは言わせてくれ。

好きだ、愛してる。

再開した時、屋上で会った時、柄にもなく泣きそうになった。
椿月が、笑っていた。
それが、何よりも嬉しかった。

小さい頃のことを思い出した。
よく一緒に遊んだな。
椿月は元気で、可愛くて、健気で。

何にも興味を持てなかった俺が、唯一守りたかった、たった1人の人だ。
椿月、俺のことは、忘れてくれ。
俺のことは忘れて、幸せになってくれ。
それが、最後の願いだ。

鬼龍のことも、忘れてくれ。
少しの日々、俺は幸せだった。

柄にもないこと言ったな。

怪我、大丈夫か? 風邪引くなよ?
寒くするなよ。体調崩しやすいんだから。

あと、椿月の親は無事だ。死んでない。
そっちの病院に行かせる。

ごめんな、椿月。
俺なんかが愛して。
俺のせいで、何回も身体に傷をつけてしまった。

椿月のことだ。『会いたい』って言うだろうな。
でも、それは俺自身が許せないんだ。

なあ椿月。
家族のことがなければ、一緒にいれたんだろうな。
いや、結末はきっと変わらなかったんだ。

俺はどこからでも狙われる。そんな中、椿月を傷つけてしまう。
だから椿月、別れよう。
誤解を生みたくないから言う。

愛してる。

俺を忘れて、幸せになってくれ。

元気でな】