傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

【それほど、他人から嫉妬を受けるほど、いい人だったんだ。でも俺は、真実ではなく、嘘に惑わされてしまった。俺は、椿月の家を崩壊させたも同然なんだ】

「っ、士綺くん……っ」



毎回、私と一緒にいる時、何を思ってたの?

付き合ってくれたのは、同情か、罪悪感からなの……?

そういえば、白雪蓮乃が言ってた。『罪滅ぼし』って。

でも、その疑問はすぐに消えた。



【椿月と再開したのは偶然だ。本当に。好きなのも、本当の気持ちだ。ただ会った時、俺は自分を刺したくなった。「独りにさせたのは、俺のせい」だって】

「っ、うっ、ぁっ……っ」



士綺くんが、時々苦しそうな表情を見せる理由が分かった。

罪悪感に、苛まれていたんだ。



【椿月から、離れようと思った。椿月から離れて、父親を探し出そうとしたんだ】

「っ、私のため、だったんだね……っ」



涙が、止まらない。

私のために……突き放したんだ。