傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

【その弟が闇金業者から追われていた。その弟のために、椿月の父親が借金の半分を背負ったんだ。
額は、1000万の半分だから、500万だな】



ごひゃく、まん……?

お父さんは……叔父さんを助けるために、嘘をついたの……?

なんとなく、分かった。

でも、どうして士綺くんがそこに関係があるのか分からない。



【でも、弟に騙されたんだ。手続きの時、全ての引き継ぎが椿月の父親になっていたんだ。
そして、そのせいで1000万円の借金を背負うことになったんだ】



そん、な……。

手紙を持つ手が、震える。

だって……お父さんの優しさを、そんなふうに使うなんて……っ。

最低……!



【そして、1人で借金を背負うために、家を出て行ったんだ】

「……っ」



書いてある言葉に、涙が溢れた。

私は、お父さんのこと、不倫してお母さんを捨てた、最低な人だと思ってた……っ。

ごめんなさい、お父さん……っ。