急に、みんな気まずそうに顔を伏せた。



「士綺くん……私と別れる前、何も、言わなかった……。何か、あるの……?」

「……それは」

「っ……」



悟って、しまった。

士綺くんと私の間にまた……亀裂があることを。



「……これ。士綺クンが、渡せって」

「て、がみ……?」



憐夜くんに渡されたのは、白い封筒。

『椿月へ』と書かれてる文字は紛れもない、士綺くんの文字だった。



「つーちゃん、これを読んでも……士綺クンを、嫌いにならないであげて」



傷ついたように笑う憐夜くんの表情に、笑みを浮かべた。



「私は何があっても、士綺くんを嫌いになったりしないよ」



そう安心させようと言っても……憐夜くんたちは、苦笑いを浮かべた。



「じゃあ……読んでみるね」



そう宣言し、手紙を開いた。