「う……ぁっ……」



頭が、痛い……。



「椿月!?」

「つーちゃん!」

「百瀬先輩!?」

「百瀬?」



そう聞こえた声の中に、愛しい声はなかった。



「……ん。結蘭、ちゃん……?」



重い瞼を開くと、そこには結蘭ちゃんたちがいた。



「分かるか!? 椿月!」

「う……ん。結蘭、ちゃん……」



そう答えると、安心したように顔を誇ろぼせた。



「よかった……! このまま目覚めなかったらと思うと……」

「ごめん……憐夜くん。……あ、れ? っ、士綺くんは!?」



士綺くんが、いない。

ベッドから身を乗り出そうとして、全身に激痛が走った。



「ぅっ……」

「つーちゃん! まだ万全じゃないんだからダメだよ!……士綺クン、ね」

「え……?」