「はぁっ、はぁ……!!」



やっと着いたらしく、降りた頃にはもうヘトヘトだった。



「つーちゃん怖がり過ぎ〜!」

「スピード下げてって何回も言った……!」

「憐夜さんの後ろ乗ったら最悪だよ。何回も女乗せて泣かせたんだから」



さ、最低……!



「ひ、酷い……!」

「だって飛ばすの好きなんだもーん!」

「ホント飛ばし癖直りませんよね」



それにしても……ここが倉庫?

とても大きくて、結構綺麗な建物。



「ここが僕らのアジトである鬼龍の倉庫だ!」

「お、大っきいね……」

「そー? さ、早く入ろー!」



ここに……士綺くんがいるの?

そうドキドキしながら入ると、シン……と誰もいなかった。



「あれ? 士綺クン、幹部部屋いんのかな〜?」

「士綺さんことです。いないということも有り得るでしょう」

「士綺くん……」