傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

なんとも暴論。

でも、心配をかけたんだから、私は何か言う立場じゃない。

それより、士綺くんがこの状態で立てるわけない。



「行くか」

「……え!?」



状況に驚いた。

だって、士綺くんが普通に立ってるから。

……刺された、よね?



「士綺くん!? 脚!」



士綺くんは痛くも痒くもないと言わんばかりに脚を見た。

憐夜くんたちは気づいてなかったのか、目を見開いた。



「いや、穴空いてんじゃん!? なんでピクリともしないわけ!? そんなんで歩けるわけないでしょ!?」



憐夜くん、その通りだよ……!

どうしてそんな澄ました顔してるの……!?



「こんなの痛くもねぇ。それより椿月だろ」

「う、嘘……」



だって、普通に刺されてた。

ナイフはいつ抜いたのか分からないけど、血で濡れたナイフが落ちていた。