憐夜くんに抱き抱えられて、バイクの後ろに座らされる。

ヘルメットを頭に被せ、エンジンをつけた。

えっ……！？ まだ心の準備が……！



「ほら、しっかり掴まってないと落ちるよ！」

「そ、それは嫌……！」



憐夜くんの腰に手を回す。



「いーね。もっと胸押し付ける感じで〜」

「……」

「あれ、無視されちゃった〜。じゃ、行きますか！」



セクハラ発言をしたあと、バイクが走り出した。

えっ、速っ……！！

怖い……！！

セクハラ発言をされたけど、怖さには勝てなく、ぎゅうとしがみついた。



「どーしたつーちゃん？ 怖い？」



風の音で聞こえないところだったけど、なんとか声を拾った。



「も、もっとスピード下げてぇ！」

「無理〜♪」

「ちょっと……！！」



むしろスピードは上がっていくばかりで、怖さはマックスだった。

も、もう絶対憐夜くんの後ろには乗らないんだから〜〜！！