傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「解毒薬寄越せ。じゃなきゃ手加減はしねぇ」

「ひっ……!! こ、これだ! だからや、やめてくれ……!!」



本当に私はこんな人たちに殴られ続けていたのだろうか。

そう思うほど……カオスな状況だった。

そして天鬼岳が渡したのは……赤いカプセルの入った小さな透明な入れ物。



「椿月! 飲め!」



士綺くんはすぐに持ってきてくれて、水と一緒に口の中に入ってきた。



「んっ……うぅ……」

「大丈夫か? 意識あるか?」

「う、ん……」



息を大きく吸ったら、なんとなく頭が軽くなった気がした。



「士綺くん……ありが───」



ありがとうと言おうとした瞬間、横から影を感じた。



「椿月!」

「───え?」



全部が、スローモーションに見えた。

真っ暗の中、現れた影。

それは───久瀬日向だった。

現れた久瀬日向は、ギラギラと輝く───銀色のナイフを持っていた。

それは、私に目がけて───。