傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

ボロボロと涙を溢して泣いていると、断末魔の叫びが聞こえた。

士綺くんたちのではない、それ。

顔を上げると───。



「……え?」



男の人たちが、倒れていた。

その真ん中、端には、士綺くんたちが立っていた。



「嘘、だろ……?」



天鬼岳も驚愕していて、呆然と立ち尽くしている。

残ってるのは、きっと幹部の人たち。

そして、久瀬日向。



「嘘? お前が見てるものが現実だ。……椿月が見てるからな。半殺しで済ませてやる」



士綺くんの浮かべる不敵な笑みは、魔王様でも裸足で逃げ出すような表情だった。

案の定、天鬼岳たちも。



「や、やめろ……! そ、ソイツ死ぬぞ!」

「死ぬ? 無理にでも解毒薬奪うに決まってんだろ。そうだな……毒を見つけたらお前らにも打ってやろうか」

「や、やめろ……!!」



必死に反論していても、震えている。

……本当に、カオスだ。