傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

大きな声を出したせいで、喉が痛くなった。



「ゲホッ、ゴホッゴホッ……」

「大丈夫だ。絶対解毒薬奪ってくる。……喉、痛そうだな。これ、飲めるか?」

「み、ず……?」



士綺くんが差し出してくれたのは、500mLのペットボトル。

中には綺麗な水。

攫われてからは、1日に一回しか飲み水や食べ物を貰えなくて、喉がカラカラだった。

士綺くんは私の口に飲み口を当ててくれた。



「……っ」



喉に伝う冷たい感触は、久しぶりに味わうものだった。



「大丈夫か? 悪い、遅くなって。待ってろ」

「っ、待って、士綺……ゲホッ」



士綺くんは私にペットボトルを渡して、走って行った。

士綺、くん……っ!

80人 VS 4人。

結果は火を見るより明らか。

逃げてよ……私なんかのために、どうしてそこまで……。



「グアッ……!!」

「や、やめろ……!!」

「い、命だけは……!!」

「……え?」