傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

最低は……どっちよ。

言ったでしょう? 士綺くんは、あなたみたいな人に絆される人じゃないって。

でも、士綺くんを好きな気持ち、分かる。

なんでも上手くやって、優しくて、強くて。

私の憧れでもあるし、何よりも、大好きな人。



「っ、クソ……!!」

「っ、かはっ……!!」

「椿月!!」



天鬼岳は焦ったのか、私を踏みつけて隣の部屋に逃げていった。

私は骨が折れているだろうお腹を押さえて息を続かせていた。

士綺くんは迷うことなく走ってきてくれて。



「椿月……!!」

「士綺、くん……」



私を、あの温かい腕で、抱きしめてくれた。

優しい匂い。

大好きな体温。



「士綺、くっ……ん。逃げ、て……。まだ、中に仲間がたくさん、いる……」

「っ、このバカ!自分の命優先しろ!!」



そんな士綺くんの怒る声も、遠く聞こえて。



「今の私がいるのは……士綺くんのおかげ。だから、士綺くんのためなら……命なんて、いくらでも使うよ……」

「っ、俺は……」