「士綺、くん……」
「椿月!!」
目から、大粒の涙が溢れるのが分かる。
───士綺くん……。
「つーちゃん!!」
「百瀬先輩!!」
「百瀬!」
後ろには、憐夜くん、玲音くん、涼くんの姿。
私の、ために……。
士綺くんは私に駆け寄って……来ようとした。
それは、天鬼岳によって制された。
「うっ……!!」
「椿月!!」
銀色のナイフが光る。
ひんやりとした感触が、頬に感じる。
天鬼岳によって、無理やり立たされた。
ナイフを突きつけられて、身動きが取れない。
「動くな!! 動いたらコイツの事殺すぞ!」
「っ、てめぇ……!!」
士綺くんはギリッと睨んだ。
でも、数秒後には、顔色が変わった。
「その、腕……」
「っ……」