士綺、くん?

なんで……『関わらない』って言ってたのに?

どうして……。



「ほら、士綺クン待ってるんだから〜」

「でもっ! 士綺くんは……!」



私のこと、嫌いで……!

なんて、言えるはずない。

自分から嫌われてるなんか、言えるわけない。



「もう何〜? ほら、行くよ〜!」



抵抗も虚しく、校門前まで連れ出される。

そこに置いてあったのは、バイク3台。



「えっ!? バイクって……」

「一応にも暴走族だからね。大丈夫! ちゃんと免許あるし〜」

「で、でも私は免許なんか……!」

「後ろに乗る人はだいじょーぶ。ほら!」

「きゃっ……!」



ヘルメットを投げられ、咄嗟に受け取る。



「ナイスキャーッチ。ほら、誰の後ろに乗りたい?」

「えっ、バイクなんて怖っ───」

「ほらよっと!」

「きゃっぁ!」