「吐けよ」
「……嫌!」
攫われてからもう何日経ったか分からなかった。そして私は拷問されていた。
ただ、殴られ続ける。
理由はもちろん、鬼龍のこと。
「はぁ。いい加減にしろよ。こっちも殺さないでやってんのに」
天鬼岳という人。
この人は飽きずに私を拷問しに来る。
もちろんいない時の方が多いけど、見張られていて脱走しようにもできない。
しかも手を前に縛られていて、足には枷がつけられている。
「まあ、そろそろ鬼龍が来る頃だろうな」
「っ!? どういうこと!?」
「黙れ」
「〜っ!」
長い脚がお腹に食い込む。
声にも出ない悲鳴が出る。
それより……。
「士綺くんたちが……来るって……!」
士綺くん、言ったのに……。
助けに来ないで、って……。
……どこがで分かっていたのかもしれない。
士綺くんは、助けに来てくれるって。