傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

椿月が、気を失った。

空気なのかと思うほどゆっくりと倒れる。



「士綺クン! 手!!」



憐夜に言われて気づいた。

手から、血が流れている。

どうやら、握り締めていたらしい。

……そんなの、どうでもいい。



「てめぇどうなるか分かってんだろうな!?」



殺してやる……椿月に味合わせた分まで……!

そう殺意を込めて睨む。

だが、天鬼は微動だにしない。



《おお怖。大丈夫、痛めつけるだけで殺しはしない。だって使えなかったらヤク漬けで売り飛ばせるしな〜》

「ッ、てめぇ……!!」



コイツは狂ってる。

しかも、後ろにいる女……。



「白雪……ッ!」



かつての、鬼龍の姫だ。

コイツの仮面に、気づけなかった。

コイツもコイツで狂ってる。



《気づいてくれたの?士・綺♡》

「椿月を返せ!!」