傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

っ、脅すつもり……!?

もし脅したら……絶対に士綺くんは来る。

……私の、せいで……!



「そんなことするより、私をヤク漬けにしたらいいでしょ!? そんなことしても───」

「ソイツか〜」

「っ!?」



嫌な声。

それは、攫った時に一緒にいた人だった。

キラリと輝く金髪。ギラリと光る金色の目。



「へ〜、けっこー可愛いじゃん。ま、今から可愛く電話してもらうからね〜」

「え?───あ゛あ゛ぁ゛!!」



ポタリ、ポタリと、血が流れる。

一瞬、目の前が真っ暗になった。

出したナイフでゆっくりと……頬を、切られた。

まだ冷静な頭の隅で考える。

ただ、どうしようと。



「いっ、あ゛ぁ゛っ……!!」



自分でも思わなかった。

こんな悲痛な声が、自分のものだなんて。


───プルルルルル、プルルルルル。


嫌な電子音。

痛みに悶絶していると、スマホの内カメラを向けられた。

それは、テレビ電話だった。