傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

うえ……最悪。

士綺クンはつーちゃんのことになると頭が吹っ飛んでいくからなぁ……。

案の定、玲音クンの胸元を掴んで揺さぶっている。



「どういうことだ!? 玲音!!」

「……姫狩りだ」

「はぁ!? 椿月は関係ねぇだろ!!」

「俺に言うな。姫は護られてる存在でありながら、一番狙いやすい的だ。暴走族を脅すのに使うのも良し。使えなかったらヤク漬け」

「……クソが!! すぐに椿月を避難させればいいだろ!!」



玲音クンの意見はご最も。

ま、士綺クンが逆上するには十分過ぎるけど。

とにかく、つーちゃんを避難させなきゃね。



「士綺クン、こっちは情報収集に鬼龍のメンバー全員集める。だからつーちゃんに急いで帰ってって伝えて」

「ああ゛!? 送るに決まってるだろ!」

「まだ大丈夫。ここまで情報収集が早いなんて白龍も思わないって。総長が不在でどーする」

「……チッ!!」



士綺クンは盛大な舌打ちをして走って行った。

まだ大丈夫。しかも、士綺クンの家は安全。



「ほら、倉庫に移動するよ!」



あーあ。めんどくさっ。



「俺は特攻隊全員集めます。玲音さんは情報処理隊を」

「分かってる」



玲音クンはパソコンをいじり始め、涼クンはスマホで通達を回す。

僕は下っ端に回すか〜。


───甘く見ていた。

先を読まれていたなんて。