傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「しかも相手をヤク漬けのために捉えたらしい」

「はー……ほんっとクソだね〜」



玲音クンが見つけたということは、証拠を手に入れたんだ。

つまり、士綺クンはもう捕まえることができる。



「士綺クンどーする? 速攻行ってもいーけど」

「それだけじゃない」

「は?」



嫌な予感は、これだけでは終わらない。



「姫が続々と狙われてる。ヤク漬けだ。そして内部情報でまだ白龍に白雪蓮乃がいることが分かった」

「……狙い時、か」



つまり、全部を丸くして潰せる。

きっと玲音クンと涼クンは潰すことに賛成。

あとは……士綺クンの決定次第。

すべての決定権は、士綺クンにあるからね。



「で? それでも緊急事態にはならなくない?」



そんな簡単に捻り潰せる程度、なんにも緊急事態じゃない。

すると、玲音クンは顔を曇らせた。



「……百瀬が、狙われる」

「っ!? どういうことだ!?」