【side憐夜】




それは唐突に起こった。



「憐夜、緊急事態だ」



いつものように授業をサボって屋上でくつろいでいると、玲音クンが真剣な目をして話しかけてきた。



「緊急事態〜? 何、またヤクの動きでも?」

「そんな可愛いもんじゃない。白龍が動き出した」

「……あ゛?」



白龍が動き出した?



「ちょっ、マジですか? 一体どんな動きを?」



士綺クンは興味なさそうに聞いてるだけ。

自分が捕まえる相手なのにな〜。



「で? 動きは?」



こんなにも余裕な理由。

こっちには士綺クンがいるからね。

士綺クンは権力でも実力でもトップ。

そんな神がいれば大丈夫。



「……天鬼岳(あまぎ がく)が、下のNo.3までの暴走族を潰した」

「は? どういうこと?」



天鬼岳は、白龍の総長。

それは士綺クンの捕まえる相手でもある。

No.3ってことは、2つの暴走族を潰したってことだ。