傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「その意味で合ってる。そもそも、あなたみたいな強欲な人、士綺くんから好かれない。実際興味も当てられなかったでしょう?」



そう言うと、彼女は顔を真っ赤に染めた。



「っ、私に喧嘩を売ったこと、後悔させてやるわ……!!」

「どうとでもして。……あなたが変わらない限り、士綺くんの友人にもなれない」

「〜っ、うるさい! 帰るわよ!」



顔を真っ赤にして去った彼女。



「ふぅっ……」



なんだか全部が一気に押し寄せてきて、しゃがみ込んだ。

どうしよう……士綺くんに言った方がいいか分からない……。

……でも、憐夜くんは『許さない』って言っていた。

言えば、きっと白龍との衝突は避けられない。

でも、私には何もできない。

……とりあえず、今は倉庫に行こう。



「椿月……!」



靴箱で靴を履いていると、士綺くんが現れた。

もう倉庫に行ったと思ってたのに……?



「ごめん士綺くん。遅くなっちゃった?」

「椿月、帰れ」

「え?」