どういう、こと……?



「頭悪い奴は理解できないかしら? 私は天王寺たちはいらないの。ただ士綺だけ私のものになればいいのよ」

「……それで裏切ったの?」



そんなの、理由にならない……!!



「そうよ。白龍って知ってるでしょ? 狙われたみたいだしね」

「……じゃあ、敵対組織の総長の女って」



嫌な予感がした。



「そう、私。私は白龍の姫よ」

「……っ、だったら鬼龍のことはもういいでしょ!?」



そう叫ぶと、耳を塞いだ白雪蓮乃。



「うるさいわね。私は士綺を手に入れるのが目的なの。最後は私のものに……ふふっ」

「っ!」



この人は、頭がおかしい。

こんな人、見たことない。



「で、ここからが交渉よ」

「っ!?」



後ろの男の人が出したアタッシュケース。

そこには、お札の束がぎっしりと入っていた。



「ここに5000万ある。だから鬼龍の姫から下りなさい」

「っ……」